5-1 まずはステロイド皮膚症の正体を知る!なぜステロイドが効かなくなるのか
ステロイドとは一体何者なのでしょうか?
僕がステロイドを常用していた頃に持っていた知識といえば、「乾癬が消える魔法の薬」程度のものでした。その程度の知識しかないものを大量に体に塗りこんでいたかと思うとゾっとします。
ステロイドは簡単にいうと、体内の副腎で分泌される副腎皮質ホルモンそっくりに化学的に作った合成ホルモンです。
副腎皮質ホルモンよりも強力な消炎作用があるため乾癬治療によく使われます。このステロイドがどんどん効かなくなっていく理由を次に記します。
ステロイドが効かなくなる負のサイクル
①皮膚に塗られたステロイドは体内で炎症を消す働きを終えると、酸化コレステロールという残りカスとなり尿から排出される
②ステロイドの継続使用により酸化コレステロールの量が増えると尿だけでは排出が追いつかず、肝臓を経て便中へも排出されるようになる
③さらなる継続使用により肝臓での処理能力を超えると血流にのって、脂肪や血管壁にどんどん蓄積される
④酸化コレステロールは炎症を起こす作用を持つ(つまりは体にとっては毒素!)ので、蓄積された部分から新たな炎症が起きる。
しかも酸化コレステロールは交感神経を刺激する働きをもつ。交感神経が刺激されると血液内に炎症を起こす物質(顆粒球)が増加し、ますます炎症が悪化する
交感神経とは:2種類ある自律神経の内のひとつ。もうひとつは副交感神経。自律神経とは体温や体内器官の働きなど私たちの意思とは関係なく調整を行う神経系。一般的に覚醒状態であるときは交感神経、リラックス状態であるときは副交感神経が優位に働いている。
⑤酸化コレステロールが引き起こす炎症はステロイドの消炎作用より弱いためステロイドを塗れば炎症は消える
⑥これを繰返すことにより体内にますます酸化コレステロールが蓄積され、より強い炎症が肌に現れる
⑦遂にはいままで使ってきたステロイドでは効かなくなりさらに強いステロイドの使用を開始する(以降、繰り返し)
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